「不快な表現をひらすら積み重ねるだけで解放があまりないタイプの作品があって、しばしば高評価を得るが、大ヒットにはあまり結びつかない。最近よくあるパターンだ」
「それってどういうことだい?」
「それが【人を描く】ことであり、高尚な良いことである、という誤解が割と送り手と受け手の双方にあって、誤解が噛み合うと高評価に繋がりやすい」
「どうして評価が高いのに大ヒットにつながり難いの?」
「2回見たいような内容ではないからさ。かなり忍耐を要求される」
「で、それがどうしたの?」
「前からそういう批判はしている。そんなものは【人を描くこと】でも何でもないよ、と前から言っている」
「喜怒哀楽全てが人であり、喜や楽を描いてもきちんと描けば人を描いたことになるってことだね」
「そうだな」
「じゃあ、なぜその話を蒸し返す?」
「そのパターンを思い起こさせるようなアニメを昨日見たからさ」
「そのタイトルは?」
「想像に任せる」
「でも、よくあるパターンなのだね?」
「そうだな。よくある。一つのパターンだ。評価は高いのに人気が広がらない、持続しないことが多い」
「具体例を挙げるとどれ?」
「そこは、語られるべきではない部分だ」